3.11 Earthquake - 3/4 walkin'

【この記事は単なる回顧録なので有用性は有りません】

駅を出たのは18:20
道が合ってるのか既にさっぱり自信がないが，行くしかない。
歩き出して10分で膝が痛み始めた。
こんな時に「オスグット病」の再来。最悪だ。

ふと歩き方に気がついた。
今は街歩きの歩き方だ。

長距離の歩き方に切り替えないと，膝が持たない。
今思うと，体のシグナルが早くて助かった。
その後は幸いにも「俺膝」が痛くなることはなかった。

速度を上げて一定に。
家路を急ぐ人々を追い抜きながら，黙々と歩いた。

18:42 地図上のCOOPを見つけた。
いいペースだ。迷子にはなってない（爆
駅からのバスを徒歩で追い抜く。
バスには客がはちきれんばかりに乗っていた。
僻地へ進むにつれて渋滞どころか車を見なくなった。
バス乗ったほうが早いんじゃね？と何度も思うが，頑固にそれでも歩く。

途中で100均を見つけた。
この先店がやっている確証はない。
と思ったのはこれ打ってる今日ｗ
その時は「後で腹減って安い店がなかったら困る」と思った。
菓子パンと500mlの飲み物を購入。
もう少し色々買いたかったが，7時間前後歩くのに負担を増やせない。
相変わらず公衆電話を見つけられない。

18:52座間駅到着。
約3.6km
無駄な情報収集。
電話BOXは鬼混み。並んでる女子高生は「迎えに来てよママン！」
なんて話をしたいんだろうか。

駅前のBOXで待つよりは道中でたまたま見つけたBOXのほうが
混んでないだろうと思い，スルー。

19:10富士山公園？とひまわり公園？の間くらいを通過。
近くの線路を見上げると，30人もの鉄道員が線路工事をしていた。
こりゃ電車は動かんわな。

19:25相武台前駅到着。
約2.6km(累計6.2km)
無駄な情報収集。
公衆電話が3台あり，1台空いていた。
未だに持ってたテレカで実家へ電話。
姉に繋がる。
「とりあえず無事だよ，そっちは？」
「こっちは停電してるけどそれだけ。あんたが無事ならいい」
「わかった。これから何とかして家に帰る。んじゃ。」
長電話に意味はない。
こういう時家族もさっぱりした性格なのは素晴らしい。
安否確認に加えて状況も把握できた。十分だ。
今は互いにしてやれることも無いのだから。
さっさと切って階下へ。

ロータリーには人が並んでいる。
バスも数台見受けられる。
路線バスで行けるかもしれないと思う。
しかしどこまで行けるのか。
相模大野，相模原，相模･･･。
似た地名が多すぎてさっぱりわからない。
何度も各バスの乗り場と系統図を往復した。

20:00過ぎ。
路線図を見ていると，どうやらバスで自宅から1時間程の所までは行けそうだ。
相模原駅経由だが。
相模原駅で予定のバスが運行していなかったらどうするか。
勘違いで路線が存在しなかったら。
鬼混みで乗れなかったら。
少なくとも何も無いこの駅にいるよりはマシだろう。
移動できる内に少しでも北上して自宅へ近づきたい。
寒さも増してきた中を夜通し歩いて風邪を引くのもアホらしい。
歩くより早い移動手段があるならそりゃ使う罠。

乗り場が合ってるのかさっぱり自信がなかったが，とりあえず並ぶ。
隣のおばちゃん達がおじさんに話しかけている。
俺もおじさんだろって話はどうでもいい。
おじさんの話だと合ってるぽい。
おばちゃん達は先のバスへ乗った。少し違う所へ行くようだ。

20:30を過ぎてもバスは来ない。
この時点で30分遅れている。
ぽつりぽつりとおじさんと言葉を交わしつつ，腹が減ったので菓子パンを食う。
お行儀もクソもない。
おじさんに半分あげたれよ，と今思った。

耳に入ってくる人々の話では，
自分がいた駅から相武台前までバスで1時間かかったらしい。
彼らがいつバスへ乗ったのかはわからないが，すし詰めの車内で
1時間立ちっぱなしを想像すると，歩いて来て良かったと思う。

家はどこかという話の中，おじさんのお宅は俺んちから数駅らしい事がわかった。
「ウチのかみさんが迎えに来るから，家まで送ってあげるよ」
有り難い親切だ。
が，大人の親切であまりいい経験をしていないので素直に受けられない。

何度か断ったのだが，「こんな時だから」というお誘いを甘んじて受けることにした。
結果としてどう転がろうが，話のネタになるしね。

21:00を過ぎて，やっとバスが来る。
意外にも乗客は少なかった。
道は混んでいたが，普段から混む道という事だった。

22:00前に相模原駅到着。
駅が暗い。道を挟んで停電している区画も。
奥様は遅れているようで未着。
おじさんが「ちょっとここで待とう」と店へ。
巨大な手羽唐揚げや刺盛にお酒までいただく（！）
恐縮この上ない。
20分ほどして奥様合流。
信号も停電して渋滞していたようだ。

暫くして時間を覚えてないが出発。
道は混んでいる。
感謝しながら車窓を眺める。

途中ガソリンが残り少ないという事で，
おじさんの車へ乗り換える。
本当に申し訳なく思う。
この時は後のガソリン不足など思いもしなかった。。

24:50帰宅。
ご夫婦には本当に感謝。夕飯までゴチになってしまった。
家はほんの少し荷崩れがあっただけで，家具等倒壊は無かった。
放置していた足湯用バケツに
ノートPCのアダプタと新品マウスが水没したくらい。
停電があったかは不明。
ふつーに電気がついた。ライフラインも問題なかった。